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■過払い金請求

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2017.11.25
過払い金の取引の分断と充当計算

過払い金の取引が分断している場合は、充当計算で多数の争点があります。

 

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基本契約が締結されている場合と基本契約が無い場合とで大別されます。
まず、基本契約が締結されている場合の事例を上げますと、一旦、完済して期間をおいて、再度借り入れた場合があります。
通常、この場合が多いと思います。
この場合、空白期間が何年あるかで一連計算ができるかどうか変わってきます。通常、3年が判断の分かれ目ですが、裁判官によって判断が異なるので、一応、注意が必要です。

 

充当計算の重要な判例と言えば、平成15年7月18日最判があります。
これは特殊な取引でしたが、一つの基本契約で2つの取引が並列していた場合に一つの取引で過払い金が発生したら、もう一つの取引について残債務と充当することを認めた判例です。

 

当時は、まだ過払金が認められないケースも多かった中で、充当計算についても認めた画期的な最判です。
次に基本契約が締結されていて、完済により取引終了後、第2の基本契約が締結された場合があります(平成20年1月18日最判)。
この場合には充当合意の存在を判断するにあたり、6つの判断基準が出ています。

 

すなわち、
➀第1の基本契約の期間の長さと完済してから第2の基本契約までの空白期間、
②第1の基本契約書の返還の有無、
③キャッシングのカードの失効手続きの有無、
④空白期間中の貸主側からの接触状況、
⑤第2の基本契約が締結されるに至る経緯、
⑥2本の契約の利率など契約条件の異同で総合的に判断するということです。

 

最判では結局、空白期間が3年であることから、充当計算を認めませんでした。
その後、下級審では、半年程度で一連計算、2年で別計算と出ています。別契約であることから2年はやはり厳しいのでしょう。
ここで注意すべきは、基本契約に自動更新の規定が定められている場合に空白期間をおいて第2の契約が締結されたときには、自動更新条項があることで各契約の空白期間を考慮すること無く充当計算したのは、法令違反があると判断が出ました(平成23年7月14日最判)。
したがって、やはり空白期間がどれくらいかが重要です。

次に基本契約が無い場合ですが、これは証書貸付による取引です。
第1貸付を完済して、期間をおいて第2貸付をした場合には充当できないとされました(平成19年2月13日最判)。
しかしながら、契約の書き換えや借り増しなど反復継続して証書貸付をしていた場合には、取引の継続性から、充当計算が認められました(平成19年7月19日最判)。